保育園、幼稚園、認定こども園。
これらの違いをご存知ですか?
共働きの方、もしくはこれから共働きしようと考えている方は、この3つのどこに子どもを預けたらいいのか、悩みますよね。
今回、それぞれの施設の特徴からメリット、デメリットまで、体験談を交えて本音で解説します!
目次
保育園・幼稚園・認定こども園の特長

保育園・幼稚園・認定こども園はどう違うのか。
おおまかに比べてみます。
保育園 | 幼稚園 | 認定こども園 | |
内容 | 保育 | 教育 | 保育+教育 |
対象年齢 | 0~5歳 | 3~5歳 | 0~5歳 |
利用時間 | 8~11時間 | 5時間程度 | 5~11時間 |
入所条件 | 共働き家庭 | 誰でも可 | 誰でも可(保育園枠は共働き家庭) |
だいたいこんな感じですね。
でも、これだけでは実態がよくわかりませんよね。
保育園のメリット:親の負担は少なめ
保育園のメリットはこんな感じです。
- 0歳から預かってもらえる
- 1日の預かり時間が長い
- 日曜や祝日以外は預けられる(園によっては夏の盆や年末年始も)
- 費用が安く済む
- 給食やおやつがある
- 保育園関係で親にかかる負担は少ない
- 子どもが人懐っこく育ちやすい
保育園に通うのは、共働きなど「家庭で子どもの保育ができない」ことが前提です。
園によって預かり開始月齢(生後1か月~とか、半年後とか)が違いますが、いずれにしても0歳から預かってもらえます。
また、1日の預かり時間も長い。延長保育(別料金)も含めると、かなり長時間預かってもらえます。
費用面で言えば、月々の保育料は自治体で定められていて、親の所得(住民税の金額)によって変わってきます。ただ、幼稚園や認定こども園で同じ時間預かってもらうのよりは安く済むことがほとんどです。
また私の実感ですが、保育園はほとんどが共働き家庭なため、基本的には親に負担をかからないようなシステムになっています。
たとえば、
- 保護者会等の集まりは土日に開催
- 催し物の打ち合わせはメールかSNS上で済ます
- 負担のかかる持ち物を要求されない(○○までに○○を家で手作りして持ってきて、など)
- 平日に親参加型のイベントは行われない ……など
またこれも実感ですが、長い時間・期間を保育園で過ごすということもあって、先生や友達との距離感がとても近いです。
その結果、子ども達はみんな、かなり人懐っこくなりますね。
保育園のデメリット:希望の園に入れないことも
保育園のデメリットを挙げるとすれば以下でしょうか。
- 希望の園に入れるとは限らない
- 仕事を辞めると退園となる
- 教育の面では幼稚園や認定こども園に劣る
保育園は、保育者1人につき面倒を見る園児の人数が決まっています。
そのため、保育園の定員はとても厳格。希望者が定員以上の場合は選考が行なわれます。
第一希望の保育園に入れなくて、遠くの保育園になったり、きょうだいで別々の保育園になったり。最悪、待機児童になる可能性もあります。
また、どちらかの親が仕事を辞めたりしたら退園しなければなりません。
求職中でも預かってくれますが、待ってくれるのはたいてい3カ月間ですね。
気になる教育面ですが、保育園の目的はあくまで「保育」です。子どもたちを教育する義務はありません。
そのため、教育の面では幼稚園や認定こども園に劣ります。
ただそうはいっても、(園にもよりますが)保育園でもいろんな教育的イベントが催されたり、小学生に向けての準備をしてくれたりします。
幼稚園のメリット:教育が充実
幼稚園のメリットは、以下のとおり。
- 親の就労状態によらず入れる
- 教育が充実している
- 子どもの生活にゆとりをもたせやすい
- 習い事のサポートがある園も
幼稚園は親の就労状態によらず、子どもが入園の年齢を満たせば入ることができます。
定員はありますが、少しくらいなら融通が利くことが多いです。「希望の幼稚園に入れなかった」ということはあまり起こりません。
そして幼稚園のメリットといえば、やっぱり教育が充実していること。
生活における教育(行儀やマナー)、情操教育をきちんと行なってくれます。親にしてみたら、とてもありがたい。
預かり時間がだいたい9時~14時くらいなので、子どもの生活にゆとりをもたせてやりやすいのもいいところ。(ただし共働きにはキツイですが……)
園によっては、預かり終了後に○○教室といった習い事をやっています。そういうものがあれば、夕方まで預かってもらえて習い事もさせられて、いい面を享受できます。
幼稚園のデメリット:お迎えが早い
ただ正直、共働き家庭だと幼稚園に通わせるのは厳しいものがあります。
- お迎えが早い(延長があれば追加料金)
- お弁当のところが多い
- 平日行事が多い
- 園によっては費用が高額
幼稚園は預かり時間が短いです。14時くらいにはお迎えに行かなければいけません。
そのため、延長保育を実施していない幼稚園だと、共働きにはかなりキツい。また延長保育を実施していても、料金がプラスでかかってくるため高額になりがち。
また幼稚園は毎日お弁当が必要なところが多いです。これはけっこうな負担。
幼稚園は専業主婦(夫)家庭が通うことが多いので、行事やイベント打ち合わせが平日にあることもザラ。
そして大きな問題となるのは、費用面でしょう。
まず公立と私立では月謝がまったく違います。
さらに必要な備品・用品が園によって違い、公立幼稚園であっても費用が高くつく場合があります。
たとえば、
- 入園金
- 制服(夏服・冬服)や帽子、通園カバン
- 体操服(夏用・冬用)
- 用品代
- イベント参加費
- スクールバス代 など
制服アリで3年保育だと、場合によっては買い替えも必要になってきます。そうなると出費も増。
幼稚園を検討している場合は、事前に費用面の下調べは必ずしておきましょう。
認定こども園のメリット:長時間の預かりで教育も充実
認定こども園は、保育園と幼稚園が一緒になった施設です。そのため、保育園と幼稚園の両方のメリットが受けられるかたちです。
加えて、こども園だけのメリットとしては、次のようなものがあります。
- 長時間の預かりが可能で、教育も受けられる
- 親が仕事を辞めても転園しなくてよい
- (幼稚園枠でも給食あり)
共働きの場合、保育園枠(2号、3号認定)で認定こども園に入ると長時間預かってもらえます。
保育園枠(2号、3号認定)で入っても幼稚園枠(1号認定)で入っても、なかで行われる内容は同じ、「教育」です。
また親が途中で仕事を辞めた場合、保育園なら退園しなければいけませんが、認定こども園なら(費用や時間に変更はあっても)そのまま通い続けられます。
反対に、親が途中から働き始める場合も、認定こども園なら(定員に空きがあれば)保育園枠に変更することが可能。つまり、転園する必要がありません。
そして、認定こども園では給食があります。たとえ幼稚園枠(1号認定)であったとしても給食があるので、お母さんは大助かり!
認定こども園のデメリット:費用負担が大きい
認定保育園のデメリットは、幼稚園と同じです。
- 保育料以外に費用がかかる
認定こども園に保育園枠で入った場合、保育料は当然かかってきます。
くわえて、幼稚園同様、園が定めた費用が別途かかってきます。
- 入園金
- 制服(夏服・冬服)や帽子、通園カバン
- 体操服(夏用・冬用)
- 用品代
- イベント参加費 等々
長時間預かってもらえて教育もしてもらえる反面、お金がけっこうかかるんですね……。
まとめ:こういう人はココがおすすめ

3つの施設の特長はお判りいただけましたか?
それぞれいちばんのメリットを挙げると、こんな感じです。
- 費用面でいちばん安くすむ → 保育園
- 子どもの生活にゆとりがある → 幼稚園(親の労働条件によってはキツい)
- 長時間の預かりで教育も受けられる → 認定こども園
幼稚園や認定こども園の転園には要注意!

最後に、私の経験から1つ注意点を挙げさせてもらいます。
子どもが小さいうちに、引っ越しを検討する家庭も多いかと思います。親の転勤、子どもが生まれるなどの家族増、教育環境の充実を求めて、など。
このとき、「幼稚園/認定こども園 から 幼稚園/認定こども園 への 転園」には要注意です!
保育園から保育園に転園する場合は、転園先の保育園に空きを見つけなければいけませんが、空きさえあればすんなり入所できます。
「幼稚園/認定こども園から幼稚園/認定こども園の転園」の場合は、入園のたびに入園金を払わなければいけないことに。
さらに、双方が制服アリの園であれば、それぞれに制服代がかかります。体操服代もしかり。
用品もイチから買い直さなければならないことも。
要は、めちゃくちゃお金がかかります。
わが家では、子どもが年長のとき、保育園から認定こども園に転入しました。1年も通わないのに、制服から何からをまるまる購入。
家から一番近い認定こども園だし、通っている子がほとんど同じ小学校に行くということで、その園に決断したのですが、正直、費用面ではめちゃくちゃ痛手でした……。
引っ越しの可能性があるご家庭はとくに、お子さんをどこに通わせるかは注意したほうがいいですよ。